子育て応援ひろばすかりぶ

“子育て応援ひろば すかりぶ”は、「体験しながら学ぶ」情報を発信し、
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「はなみず」について (医長が教える子どもの健康 2018年4月号)

お子さんに「はなみず」があると、かぜを引いたかなと思います。「はなみず」はかぜを引いても出ますが、寒かったりしても出ます。春も、熱もなくて「はなみず」だけというお子さんが多いような気がします。どのような「はなみず」が生理的で、どのような場合にかかりつけの医師などに相談すべきなのでしょうか?

生理的な「はなみず」

「はなみず」は大人では1日1-2リットルもの量が分泌されているといいます。子どもは大人より「はなみず」を出す鼻腺の数が多いので、もっと多いかもしれません。また、「はなみず」には、鼻の粘膜から分泌されるもののほかに、涙や吐く息の中に含まれる水分も混じります。
鼻の粘膜は何らかの刺激が加わると、「はなみず」の分泌が促進されます。寒かったり、温かいものを食べたり、刺激的なにおいを嗅いだり、鼻を直接触ったりすることによって「はなみず」が出ます。また、種々のアレルギーの原因となる物質によっても「はなみず」が出ます。

無色透明な「はなみず」

生理的な「はなみず」は無色透明で水性ですが、ウイルス感染やアレルギー性鼻炎でも無色透明です。無色透明でも、「はなみず」以外の症状もあるときや、「はなみず」の多い状態が続くときは、かぜやアレルギー性鼻炎などの可能性もありますので、かかりつけの医師などに相談しましょう。

「はなみず」と細菌

実は、病気のお子さんのみならず、健康で症状のないお子さんの鼻の中にも多様な細菌が住みついています。分泌されたばかりの「はなみず」には細菌はありませんが、鼻の中に住み着いている細菌が「はなみず」に混じることがあります。ですから、「はなみず」から細菌が検出された場合でも、この細菌が病気の原因でない可能性もあります。細菌感染症の治療をするかどうかは、医師がお子さんの状態を慎重に見極めたうえで判断することになります。

「はなみず」への対処

「はなみず」が続くと「はなづまり」が起きます。特に小さいお子さんほど「はなみず」によって「はなづまり」が生じやすいですし、口呼吸が困難なので、より苦痛を感じます。家庭でもできる治療は「はなみず」を吸ってあげることです。吸ってあげることで、症状を和らげ、副鼻腔炎の予防にもなります。市販の乳幼児用鼻汁吸引器などを使っても吸ってあげやすいです。
子どもは2歳ぐらいまでは自分でうまく鼻をかめないので、「はなみず」が続いた時などは大人が吸ってあげるとよいでしょう。2歳を過ぎると自分で鼻をかむ方法を学べるようになってきます。