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医長が教える子どもの健康

中学生のピロリ菌検査について(医長が教える子どもの健康 2018年12月号)

 横須賀市の市民の死亡原因の第一位はがんです。2016年にがんで亡くなった人は1261人でした。そのうち胃がんは130人で、肺がん、大腸がんに次いでいました。
 ヘリコバクター・ピロリ菌(以下ピロリ菌)は、胃の粘膜に生息する細菌ですが、胃がんの原因の一つと考えられています。ピロリ菌の検査をすることによって、胃がんの早期発見と、ピロリ菌感染者に除菌を行うことによる胃がんの発生抑制効果が期待できます。
 そこで、横須賀市では平成24年度から40歳以上の市民を対象にピロリ菌検査を取り入れた胃がんリスク検診を開始しました。
 その結果、胃がんの発見率は約0.5%と全国平均の3倍以上になりました。一方、除菌による胃がん発生抑制効果は、除菌する年齢が上昇するに従い減少しますので、より若年での検査と除菌が望ましいと言えます。
 また、若年での除菌は次世代へのピロリ菌の伝播を防ぐ効果もあります。現在、衛生環境の整った日本でのピロリ菌の初感染は5歳までの小児がほとんどです。この年齢の小児は、胃酸分泌が不十分で免疫力も弱く、育児の際に母親からピロリ菌に経口感染する可能性があります。それゆえ、親になる世代が子育てをする前にピロリ菌を除菌することは、次の世代へのピロリ菌伝播防止に効果的です。
 そこで横須賀市は中学2年生を対象としたピロリ菌の検査と除菌について前向きに検討しています。
 検討している検査の方法は、尿検査と尿素呼気検査の2段階の方法です。まず、尿検査を受けてもらいます。陽性の場合、尿素呼気検査を実施します。この検査も陽性の場合は、ピロリ菌に感染していると思われますので、希望者に除菌治療を受けていただきます。
 横須賀市は、これらの費用の全額を負担することを検討しています。若い世代に検査や除菌を受けてもらうことによって、将来のがん発生を減らそうとする、がん克服に向けた取り組みです。

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