子育て応援ひろばすかりぶ

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医長が教える子どもの健康

赤ちゃんの指さしと、ことば獲得するのに使われる、素晴らしい能力(医長が教える子どもの健康 2019年5月号)

◎赤ちゃんは揺れるものが好き

 赤ちゃんは、干した洗濯物が揺れるのを、飽きもせず見詰めることがあります。特に男子の方が、動体視力が優れ、動く物が好きです。それは女子に比べ、目の奥にある網膜が厚く、動き、速さを感知する細胞が、豊富なためと言われています。一方、女子はヒトの顔に興味しんしんです。これも男子に比べ、色を感知する細胞が豊富なため。加えて、少なくとも十数万年続いた狩猟採取時代、ヒトは群れをなして、外敵から身を守って来ました。男子が狩りに行くと、女子は群れを守るため、育児に追われながら、メンバーの調和を取り、一人一人の顔色に注意する必要があったのです。おもちゃにも影響し、男子は、動くクルマ、電車。女子はお人形を好みます。

◎顔対面のコミュニケーション、ライブと録画映像

 私達の脳は、二つの眼と口が形成する、逆三角形の3点に強く反応します。ヒトの顔のように思ってしまうみたいです。これは、生後すぐの赤ちゃんでも該当します。ぼんやりとした未発達の視覚下ですから、驚きです。次のような実験があります。5カ月の赤ちゃんに、テレビ画面を通じ別室から、ママがライブであやすのです。赤ちゃんはニコニコ。喜ぶ赤ちゃんに影響されて、ママもニコニコ。すると赤ちゃん、さらに機嫌がよくなります。立派なコミュニケーション成立です。ところが、これをママがあやす録画映像にすると、途端に機嫌が悪くなりました。赤ちゃんがニコニコを返しても、適時なママの応答がないからです。

◎指さしと確認の視線

 指さしは赤ちゃんの発達指標の一つで、生後9~10ヶ月頃から始めることが多いようです。赤ちゃんは、ママに指さして伝えた時、自分の指さした物をママも見ているか、確認することがあります。もしママが見ていなかったら、赤ちゃんは、がっかりです。それは、赤ちゃんからの微笑みに、微笑み返さないのと同じこと。赤ちゃんは、指さした同じ物に対し、ママにも注意を向け、共有してほしい気持ちにあふれています。例えば、公園でワンワンに出会いました。赤ちゃんは、ワンワンを指さします。ママも注意を向けました。すかさず、赤ちゃんはママの視線を確認します。この共有の確認作業の繰り返しが、ことば獲得に影響を与えるのです。

◎赤ちゃんが、ことば獲得するのに使われる、素晴らしい能力

カテゴリー化。パターンをとらえ分類することです。学問とは分類すること、とも言われています。カテゴリー化は、情報を整理するのに効率的です。ネットショッピングでも、商品はカテゴリー化され、検索するのに便利になっています。赤ちゃんは、実物であっても、絵本の中でも、ワンワンだとわかるのです。絵本でおぼえたワンワンでも、実物に出会えば、ワンワンと指さします。四足動物のパターンから、ネコ、ウマなどもワンワンと言ってしまうようです。もちろん成長に伴い、ことばの数も増え、いずれ正しく指さします。“親”という漢字を“木の上に立って見る”から、“おや”と覚える方法もあるようです。しゃべれる近道は、何より赤ちゃんをよーく見守ることです。そして、赤ちゃんから発せられるコミュニケーションに、タイムリーに応答してあげましょう。

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